「なぁ、陽子ってひょっとして落ち込んでないか?」
「そう思いますか……(最近さらに声に元気がないし、心の声の漏れ出す回数も増えてきたし)……やっぱり」
延麒の言葉に、内心色々思い出しながら楽俊は応えた。
頭をかきながら、思い出した陽子の心の声に苦笑を禁じ得ない。
ていうか最近は聞いていて冷や汗モノの過激な発言も増えてきている。
(吹き込みの時に他の人間にバレないのか心底不思議だった)
(後に『ああ、その時は結界張ってるから大丈夫☆』と言われてちょっと現実逃避しかけた)
延麒はそんな楽俊の様子に気付かず、そっとその場に立ち上がり話し始めた。
「景麒がな〜」
「?」
「真面目すぎるんだよ、景麒って。陽子も真面目なやつだからさ〜」
まじめ……
楽俊はちょっと真剣に陽子の真面目な所を探してしまった。
しかしよく考えれば陽子はどんな行動も真剣に取り組んでいるし(それが突飛なコトであっても)確かに真面目と言える。
……意外性のある、真面目だと言える。
「それに……景麒は陽子が2度目の王だから……」
延麒はしんみりとした声を出しながら、そっと陽子に視線を向けた。
それにつられて楽俊も延麒の視線の先に目をやる。
そこには真剣な様子で話し込む陽子と延王の姿があった。
やはり王のことは同じ王に相談するのが一番だよな、と思いつつ少し寂しい楽俊だった。
(それでも自分は友と呼ばれるだけで嬉しいのだけど)
「それってやっぱり、関係あるんでしょうか」
「一度目の王ってやっぱ思い入れがあるからさ、比べちまうんだよな」
そりゃー大変だ。
陽子はどうやら人としても規格外なのに、王としても比べてしまったら……
ファイト☆景台補!! (旅路で培った対陽子用の楽俊の非常識?な応援)
楽俊の偽らざる本音は、誰にも聞かれることなく消えていった。
さすがに慶の王宮で、真実に近すぎるが不敬にも聞こえそうな本音を暴露することは出来なかった。
楽俊は巧の旅路を思い出しつつ、遠い目で陽子を見つめた。
(おそらく、陽子を正しく理解している人間は楽俊しかいない)
延麒はそれを不思議そうに見つめているのだった。
(まだ陽子レベルの低い延麒にはまだまだ分からぬ哀愁である)
真実は未だ闇の中
「大変そうですけど、陽子なら大丈夫だと思います」
「……そうだな! 陽子ならなんとかするさ」
いや、ホントに。
あんな疲れ切った声を出しつつも闘志に燃えた言葉の数を聞いていれば、心配するよりも安心してしまう。
陽子なら、大丈夫だ!
俺にはこうして話を聞くしかできねぇが、いつだって応援してんだからな!!
楽俊の心のエールはしっかり陽子に届いて力の源になっていることだろう。
陽子は楽俊の前では猫被りません。延主従の前では数匹被っています。
そして金波宮では特大の虎を何十匹も侍らせて、内心を悟られることなんか1ミクロンもありません☆
……おそらく、本領発揮されるのは市井に降りてからですね〜
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