「世界よ、天帝よ、聞け!!!」
宵闇に包まれた深い深い森の中、鋭く威厳に満ち満ちた声が響いた。
この世の至尊の主たる天帝へ傲慢ともとれる声だが、不思議とその声が受け入れられている気配すらする。
「何のために私を呼んだのかは、知らぬ」
すらりと手に持った剣を抜き去り、隙無く静かに佇む。
「しかし私は私の望むとおり行動する!」
全身から噴き出すような偉大なる覇王の気を纏わせて、剣を天上に突きつけた。
「それを望まぬなら今すぐ私を消すがいい!!」
ゆったりと剣を構え、上空の敵を睨み付けるように鋭利な視線を天へ向けた。
まるで火炎が空に駆け上がるように、轟く覇気が空へと登っていくようだ。
ひとときそうして構えていたが、すっと立ち姿を変え、剣を下ろした。
「私は、愛そう。貴方の守り慈しむこの世界を」
鋭かった瞳を暖かな慈愛の溢れる瞳に変え、この世界全てを包み込むような愛を言祝ぐ。
剣を手放し、そのまま両手を上空に上げ、煌めく瞳で天を見つめる。
「我が子たちを、この手で護りましょう」
世界の母と呼ばれた私の新たなる選手宣誓
「――?」
「な!?」
「え――!?」
「今……」
世界の母の産声は、この世のあちらこちらで感じられていた。
「よし。とりあえず一言断りも入れたし、思う存分神獣とやらに一撃入れられるな!」
『……(この一言さえなければ私は純粋な敬慕の念だけを感じられたのに……)』
おそらく冗祐だけは陽子の裏側もしっかり覗くことになろう。残念。
なんかカッコイイこと言ってほしくなっただけの回。
いきなりの天帝への不敬罪ですが、そんなことおかまいなしの陽子。
むしろ天帝ほど大きな存在ならこれほどの言葉は受け止められるだろうという信頼?
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