玄英宮の水辺のほとりで、陽子と楽俊と延麒は話していた。
「なぁ陽子。前から気になってたんだけど、陽子の影から不思議な気配がするんだ」
なんでなんだ?
無邪気に不思議そうに問いかけてくる延麒に、陽子はすぐに笑顔を浮かべた。
楽俊はギクッとした様子だ。
「はい。実は友がいるのです」
「ん? 影にいるってことは……景麒の使令か?」
「いえ、私の友です」
「……それってどういうことなんだ?」
怪訝そうに重ねて問いかけてくる延麒に、答えていた陽子ではなく楽俊のほうが慌てて声を出した。
「あー延台補、お待ち下さい。ここから先はそれ相応の心構えが……」
「心構え?」
「ん? どうしたんだ、楽俊。ただ私が麒麟の折伏の真似事をしたら妖魔が友になってくれただけじゃないか」
「……はぁ?」
延麒は心底驚いた風に目を丸め、驚愕の眼差しで陽子を見ている。
その表情を言葉にするなら『うそーマジで!?』だ。
「そういう訳なんです、延台補。な、太郎」
『はい』
しかし無常にも、陽子の言葉に応じて影から饑饑が出てきた。
その様は麒麟に従う使令のように忠義に溢れているのだが……これが友。
「あー……そりゃ、凄いな」
意外にも素早く立ち直った延麒は、とても興味深そうな目で陽子と太郎を見ている。
まさか人が妖魔を従えるとは、見たことも聞いたことも無……いや、自分の友の一人に似たようなヤツはいるけど
延麒はそう思いながらも次第に楽しくなってきた。
これから慶国がどのような国になるのか、楽しみだった。
意外性抜群の新女王陛下
「ちなみに、この子はピーちゃんです。気合で小さくなれ!と言ったらその思いに見事答えてくれた蠱雕の子なんです」
手乗りサイズの小さな鳥を見せながら陽子は笑う。
「……へー」
「……」
再びの意外すぎる告白に延麒はまた驚いた。
いくら楽しんでるとはいえ、驚くこととはまた別らしい。
楽俊はもう呆れて言葉も出ないようであった。
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