「るっくー!!」

そんな声と溢れる光とともに少女は目の前に現れた。
すわ敵襲か、と側にいた忍たちが構える中、最も守られるべき少年が高速でその音源に近づいていった。
護衛の忍たちは大いに焦った。


「なにやってるんだ!」

「あ、るっく!」


貴方こそ何をしているのですか!
と叫びたくなる忍たちだったが、目の前の光景に毒気を抜かれた。
少年が落ちてきた同じ年頃の少女を抱え、心配そうに覗き込んでいる。 

おや?
まぁ……

忍たちは警戒するのも忘れて、初めて見る(気がする)幼子らしくない少年の可愛らしい様子を堪能した。
いつも口から飛び出すのは毒舌、辛口、嫌みの三連発で、ギリギリ弟妹が大切にされているのが分かる程度(それも他の者との当社比)
それなのに目の前の少女のことは随分と気にかけているようである。
とりあえず警戒することは他の者に任せ、自分はその女の子を歓迎することにした。
……と、みんなが考えてしまっているのだから、結局誰も警戒していなかった。おいおい 


「ねぇ、るっく。どうしよう、どうしよう!」

「ああ、もう。とにかくおちつきなよ」


迦陵はうろうろと視線を彷徨わせ……側にアレら居ないと悟ると、ため息をつきつつルイナの頭にぽん、と手を置いた。
どうしようどうしようどうしよう、とエンドレスで呟いていたルイナはきょとんとした顔をすると、嬉しそうに破顔した。
迦陵はそっぽを向いているが、ルイナは優しい気持ちがその手から流れてくるのが分かった。 


「るっく!!」

「うわ、ちょ」


ばたーん


嬉しくなったルイナはそれを行動で表した。
つまりいつものように飛びついた。
そして支えきれなかった迦陵は一緒に倒れた。
側にいた忍たちはもうにっこにっこした顔で見ていた。

今日のことはみんなに自慢しようっと!

迦陵のツンツンは里で有名だった(そんな馬鹿な)
おそらく今日からツンツンデレくらいにはなるだろう。
こうしてとりあえず迦陵の側使えの者には受け入れられたルイナだった。


「で、きみはここにいてだいじょうぶなの?」

「あ! ……どうしよう?」

「かえりたくないなら、てがみでもかけば?」

「……うん。そうする」

「はい、この紙と筆を使ってください」

「あ、ありがとうございます!」


もう疲れた迦陵は寝転がったまま会話を始めた。
この日は転移で木の葉まで往復したのだ、そりゃ疲れる。
久しぶりに友に会えて嬉しいルイナは、ぎゅーと引っ付きながら答えた。
周りの者はその光景に笑み崩れている。
そして会話を途切れさせないように、絶妙のタイミングで紙と筆を渡した。
さすが砂の里筆頭の忍なだけある……才能の使い道を誤っているが。


「るいなより……と。あ、るっくもなにかかくー?」

「は? かくことなんかないよ」

「えーいいじゃん、なんかかいてよ〜」

「ふ〜ん。じゃあ……」

「ねぇ、なんてかいたの?」


ピカー


「あ」

「むこうにおくっておいたから」

「えー! るっくなんてかいたの!?」

「さぁね」

「おしえてよー」

「もうわすれた」

「うそだー!」



もうダメだ耐えきれない……!!

口を押さえたある忍がダッシュで部屋を出て行った。
これで3人目だ。
これで男性は全員アウトだ。

軟弱者が……これくらいでへこたれるとは

可愛らしい顔に美しい笑みを浮かべた女性の忍たちは内心呟いた。
部屋を出て行った彼らは、いつもはツンツンのデレを見たことで、中毒症状?を起こしているのだ。
なまじ目のいい彼らは見た。見えた。
迦陵が手紙に『大切にするから安心しなよ』と書いているのを。
もしかしたら嫌みがこもっているのかもしれないが、そんな可愛らしい嫌みは今まで聞いたこと無かった。
今までは一体何時何処で覚えたのか本気で気になるほど豊富でグサグサ突き刺さる毒舌を披露する迦陵である。
もしかしたら本心も込められているのかも知れない甘い嫌みは、多大なダメージを与えたようだ。
それよりも、誰宛の手紙なのか、とか、最後の『ルック』て何だろう、とか、あの光は何だ、とか色々考えることはあると思うのだが。
ツンデレは思わぬ所で思わぬ成果を上げていた。たぶん。


「ねぇ、てがみにあったけど、みおにもおとうとができるの?」

「え、るっくにもおとうとがいるの?」

「まぁね。いま、かあさんのおなかのなかにいるよ」

「わぁいっしょだね! ねぇ、あいたいな」

「……しかたないな」

「いこういこう!」

「な、ひっぱるな!」


流された話題に気づくことなく、ルイナは迦陵の手を握った。
そしてグイグイと引っ張って歩き出した。
後ろの『迦陵様の可愛い姿を見てい隊!(即席)』と『迦陵様の初恋を応援し隊!(即席)』もこそこそとついていく。
(彼女たちの中で、ルイナは初恋の少女になっているらしい)
こそこそしつつも、見たいところはしっかり見るためにかなり隠れ方がアバウトだ。





こうしてルイナの風の国砂の里訪問は始まったのだった☆









砂の忍を馬鹿にしてるつもりはありません、ギャグだからこその展開です。
本当なら里への不法侵入でそっこー捕まってると思います。
忍のだれもが突っ込まないのは普通絶対に可笑しい……
全部ツンツンのデレでカバーしちゃってるあり得ないですよね!笑

【詳しい捏造内容紹介】
ルックの名前は迦陵(かりょう)
母の名前が加琉羅(かるら←迦桜羅)なのでその繋がり?で、迦陵頻伽(かりょうびんが)から取りました。
迦陵は我愛羅の4,5歳年上の兄。母も同じ。
テマリとカンクロウの母は別の人(加琉羅じゃない)ってことにしました。
今更ながらにかりょうの漢字を変えればよかった!と思いますが響きは気に入ってます。

そしてこの設定をゴリ押しするため、私の中では風影と加流羅にはドラマ的大恋愛が隠されています!!笑








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