■■ 我ら主上直属伝達隊 ■■
みなさま、初めまして!
我ら主上直属伝達隊でございます。
畏れ多くも我が部隊は、皆々様から『颶風(ぐふう)』と呼ばれ親しまれています。
【注意】 颶風
人家は崩壊し、木々も吹き飛ぶ、広範囲に甚大な被害を及ぼす強風のこと。
海上では、大気は泡としぶきに満たされ、海面は完全に白くなる。視界は非常に悪くなる。
別名ハリケーン☆
その名の通り、最速の速さを持って金波宮を駆け抜けます。
その名の通り、時には甚大な被害を金波宮全体に広めます。
主上の命を胸に右に走り、主上の頼みを胸に左に走り
主上の願いを胸に、私たちはつねに前進し続けているのです。
主上が勅命を出された際、我々は主上直属勅命伝達隊となります。
そうして主上の神の吐息にも等しいお言葉を、皆々様にお伝えするのです。
さぁそこの貴方。
貴方も至高の伝達者となりませんか?
今ならば抽選で当たる、主上の手書き札を進呈します!
主上直々に書いて頂いたこの『颶風隊』の印さえあれば、どんな緊急事態も裸足で乗り越えられることでしょう☆
☆ ☆ ふるってご参加下さい ☆ ☆
■■ 伝達隊の華麗なる日々 ■■
主上直属伝達隊と銘打っている通り、とにかく『伝達』にかけて彼らの右に出る者はいない。
そして緊急事態は何よりも迅速さが求められるので、彼らの大活躍の場だった。
もちろんそれは主上が『伝達にはコイツらを使え』と重要人物たちに気軽に貸し出してしまうからだ。
(そうして彼らは望む望まぬに限らず足腰と度胸を鍛えられていく)
何が悲しくて『緊急事態だから』と言って、金波宮最強の腹黒微笑仮面である冢宰に礼も口上も無く命を伝えなければならないのか。
しかもソレが彼の笑顔にヒビを入れる恐れのある、主上の面白特盛勅命だった日にはそのまま雲海に飛び込みたいと真剣に考えた者数知れず。
そうやって日々大人の階段(?)を登り続けている伝達隊『颶風』の者たちであるが、最近になってその職務に変化が生まれてきた。
なぜか伝言にかこつけて影口混じりのコトまで伝える羽目になっているのだ。
我らは主上直属を誇りに持つ、慶でも最高の伝達隊。
いくら陰険な言葉(ちょっと優しい表現をしてみたらしい)とは言え、伝えよと言われたことを伝えないのは沽券に関わる。
そう思ったのは『颶風』メンバー全員だったようで。
そうして彼らの重責は微妙な感じで増えていった。
曰く『――、最後に、お前の母ちゃんでーべーそーと伝えなさい』
伝達『――、貴方のお母上はお臍が飛び出してらっしゃるそうですね』
曰く『――、お前こんなモノ寄こして馬鹿にしているのか! このあんぽんたん野郎め!!』
伝達『――、このようなモノでは受け取れません侮らないで下さい。愚かしいことですよ』
国の最高の場に立つ、最上の官吏たちへの憧れがガラガラと付き崩れたのは一度や二度ではない。
『あれ、俺ってなんでこの場にいるのかな。あーそういや俺も官吏だったよね?』
そうして日々嘆きながら『颶風』に放り込まれた問題の有る新人官吏たちは己を見直していくのだ。
国の最高組織であろうとも、遠慮無く叩き上げ精神が貫かれている。
もちろん、職務に絶えられずやむなく辞職する者も居る。
(どちらかというと限界直前に地方に飛ばされることが多いが)
しかししっかりと勤め上げた者はいつの間にか金波宮でも上位陣の傍に付いていたりする。
そしていつしか彼らも伝達隊に無理難題を吹っ掛ける側に回るのだ。
若かりし頃の鬱憤を晴らすように全力で伝令を頼みまくる。
そうして彼らは見定めている。
『この者は出来る人間か否か』 『コレは己の傍に立つことの出来る人間か』
伝達隊は金波宮中を駆けめぐり、様々なモノを見聞きするだろう。
それは最高の勉強であり、最高の修行だった。
ヤられたらヤりかえせ、という邪な思惑に隠れつつ
金波宮の新人官吏教育は進んでいく。
もちろん、見定める云々を抜きにしても面白半分で伝達させることも多い。
ホラ、俺たちって主上とお付き合いしてるから段々おちゃめになるんだよね☆
そんな納得できそうで全く受け入れたくないいい訳のもと、
今日も伝達隊『颶風』は走る。
遊び半分で書かれてしまった拍手お礼小話パート2!
彼らの活躍は、企画お話の中でも明らかでしたね☆笑
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