頭を布で覆い、顔をうつむかせた少年が道を走っていた。
そして少年が入るには意外な建物の中に入ると、迷うことなくある部屋に入っていった。
戯楼の庭園で話をしていた延王尚隆と延麒六太。
話が一段落すると、六太は室内に戻ろうとして……不意に思い出したように尚隆に話しかけた。
「なぁ尚隆……お前、何か感じなかったか?」
「ん? 何かとは何だ?」
そのまま出て行くかと思われた六太が、今一度振り返って問いかけてくるから何事かと思ったら。
尚隆には全く心当たりのないことだった。
「……いや、ならいいんだ」
「おいおい、そこまで言っておいてだんまりはなかろう」
またそのまま室内に戻ろうとする六太。
尚隆はそれを呼び止めて、暗に話せと訴えた。
「何か……強い……気配のようなものを感じたんだ。俺が、お前に感じるような気配を」
「……つまり、俺以外の王気を感じたということか?」
「ああ、そんな感じだな。だけどお前ならどんなに離れていても、はっきりと王気を感じることが出来る」
「そりゃ光栄だな」
「茶化すなよ。……あの気配は、遠くて僅かしか感じられなかったんだが、確かに強い気配だと分かった」
「ほう。興味深いな」
尚隆は六太の言葉に興味深そうに目を輝かせた。
六太は話に夢中で不覚にも気づかなかったが、それは尚隆が好奇心に溢れている時に見せる目だった。
「一度感じたっきり、感じなくなったからもしかして錯覚だったのかとも思ったんだが……」
「何か気にする理由でもあるのか?」
「……その気配、巧の方角から感じたんだ」
「ほほう。それは面白いな」
延国国主・延王尚隆、新たな好奇心に取り付かれた瞬間。
君との出会いを心待ちに
「そういえば六太。景麒がこの間蓬莱のことを聞きに来たらしいな」
「ああ。……まさか!」
「そのまさかだろうさ。さぁて、遠国にいる他国の麒麟にも気配を感じさせるほどの王とは、どんな人物なんだろうなぁ?」
アニメでのシーンがこんな風に変化するかも?
とってつけたような会話ですが、実は延の賢王が初めて陽子に興味を持った瞬間…かもしれません。
陽子の選手宣誓の効果がこんなところにも出てしまったようです。
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