ああー終わったー!!!!
なんてことでしょう、脅威の11話です。長らくお付き合いして下さった皆さま、ありがとうございます↓
下記に作者のあとがきを載せますので、気の長い方はもう少しお付き合い下さい。
気付けばこのお話は、はじめはたった一話で終わっていました。
読んだ方は分かるかと思いますが、第1話と第11話を繋げて一つの話にしていました。
しかし『え、これだけじゃあまりにも説明口調すぎて面白くない!?』と思い至り、こうして詳細編も付け加えたのですが…
まさか、空白の10行の中に9話もあったとは……もう作者自身も驚きです(笑)
話の展開上、医師2人に名を付けたり(そしてそれが出張ったり)、うっかり伝達隊の設定を考えて楽しんでしまったり、あのお方の描写に異常に熱を入れてしまったり……色々ありました。
しかし、自分の中では『失敗談』と『序章』を上手く詰め合わせることが出来たのではないかな〜と思います。
作中のあのお方に関しては放置しっぱなしの伏線がたーっくさんあります。
……が、それを回収していたら序章じゃなくなるし、話が終わらないし……ここで終了です。
地枝様、如何だったでしょうか? 少しでも楽しんで頂けたなら、凄く嬉しいです。
読んでくれた皆さま、如何だったでしょうか? ちょっとギャグに走りすぎたかな〜と思いましたが、楽しんで頂けたなら幸いです。
ちなみに一番楽しんだのはおそらく書き手である私でしょう。ウッフフ〜☆笑
できれば感想をもらえると嬉しいのですが……まぁ作者の我が侭なので、お気になさらず(笑)
さて、ここまで読んでくれた皆さまに、最後のおまけをお贈りします。
治療後、意気揚々と歩いていた陽子と、立ちはだかった官吏の会話です。ドゾー☆
陽子は浮かれていた。
ふんふんと楽しげに鼻歌を歌い、足取りはスキップ混じりに楽しげだ。
それもそのはず。
だって、先ほど昏倒者全員の治療が終わったのだから!!
(最後の一人になった時は、その場の全員で呪文の大合唱になった)
彼らは一度目を覚ました後、もう一度眠りに着いていた。
魘され続けたせいで体力を消耗していただろうし、いくら碧双珠で治療したとはいえ、いまだ万全とは言えないだろう。
彼らが再び目覚めるまで陽子の負担は変わらないが、いつか終わると分かる負担ならどれほど重くても構わない。
先の見えない負担は恐怖すら感じるが、先の見える負担ならどんとこいこんにゃろめー!と言えるほど陽子は嬉しかった。
にこにこと笑みを浮かべながら歩く陽子の前に、一人の官吏が立ちはだかった。
「……? どうした、何か用か?」
「主上、黄医が呼んでおります。仁重殿にお向かい下さい」
仁重殿!!
それを聞いた瞬間、陽子はその場を走り去ろうとした。
しかし、それを察した官吏が俊敏にしがみついた。
もちろんその行動に遠慮なんか欠片もない。
「主上! 『解決策を見つけられたそうですね。ぜひ仁重殿にもおいで下さい』と黄医が申しておりました!! どこに行かれるのですか!?」
「イヤだ、離せ、行かせてくれ! 私は仁重殿には行きたくない〜!!」
「その命は承伏しかねます、主上! あの純粋で心根優しい稟医師のご要望を無視なさるのですかぁぁぁああ!?」
「――!!」
「金波宮における一輪の花、優しくたおやかな空気は誰もが癒されるあの稟医師の! 主上の半身たる台補とも(珍しく)お仲良くていらっしゃり、時にはあの!台補が優しげな笑みを見せる相手である稟医師の! 主上が気疲れをお感じになられた時には、こっそりと遊びに行ってお茶を共にする――」
「な、なぜお前がそれを知っているんだ!?」
「皆様ご存じでいらっしゃいますっ! 知らぬのは主上だけです!!」
「なに!? そうだったのか!!」
陽子はガーンとショックを受けた。
しかしそんな陽子に、官吏はたたみ掛けるように言葉を続けた。
「主上! 主上が来られないと知ると稟医師はどれほど悲しまれることかっ!! 『ああ、私は主上に嫌われてしまったのでしょうか……何か粗相をしてしまったのでしょうか……どうしましょう、主上に嫌われては、私の心は張り裂けそうに悲しいです……グス』」
「な、泣くな、泣かないでくれ稟医師ー!!」
官吏の声真似に動揺した陽子は、全速力で走り出した。
その方向は仁重殿へ向かう道がある。
「……フッ、任務完了」
走り去る王の姿を目に、官吏はボソリと呟いた。
彼は主上直属を誇りにもつ、伝達隊『颶風』の一人。
例え相手が主上であろうとも任務のためには労を惜しまず、達成のために全力を尽くす。
今回は疲労によって思考がちょっぴり怪しくなっていた主上だからこそ、この方法を実践した。
そして見事、任務『黄医の伝言及び仁重殿への来訪依頼』を果たすことが出来たのだ。
彼はこの任務達成に満足すると、すぐさまその場を後にした。
『颶風』に暇は無い。まだまだ任務は山積みだ。
しかしそれも彼にとっては誇りでしかなく、足取り軽く走り去ったのだった。
主上直属の誇りが主上自身を苦しめていた。残念。
こんどこそ終わり。チャンチャン♪