ぱちり

不意に目を覚ました。
今まで暗闇の中を彷徨っていたような、包み込むような毛布の中にいたような不思議な感覚が残っている。 


「うあ、あーぅ?」
(ここ、どこ?)


ぽつりとこぼした言葉が室内に響いた。
あれ?
でもなんだか聞こえてきた言葉が可笑しいような気がする。

「お、えぅあーう!」
(え、どーゆーことぉ!?)

「はいはい、どうしたのかな?」
「あら、もう起きちゃったの?」

焦った自分の声(とは思いたくないもの)に気づいて、大人のような人影が近づいてきた。
ぼんやりしていてよく見えないが、悪い気配ではなかった。
そして、いきなり自分の身体が宙に浮かんだ。
ミオは驚いてしまい、それが今まで感じていた不安を爆発させた。

「ふぇ、うっく、うわぁぁぁああああんあああん」
「ああ! 泣かないで、泣かないで、よしよし」
「ふふ」

しっかりとした腕に抱きかかえられ、よしよし、と身体を一定のリズムでたたかれた。
それになんだか安心したミオはこの状況のおかしさに気がついた。
あれ、なんでこんなにすっぽり抱きかかえられてるの?
そしてなぜか自分は予想外の声ばかり出しているし、思い通りに動かない身体にも違和感を感じる。
これは、前にも一度感じたことのある違和感だ。
まさか……!!

「よーしよし、もう大丈夫だよ」
「そうよ、ママがついてるんだから」
「パパも一緒だよ」
「ルイナちゃん、パパもママも側にいるからね」

美しく微笑んだ二人の男女は、自分に向かってそう言った。
新たな物語の幕開けであった。








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